アキレスと亀 -有名思考実験-
アキレスと亀は、紀元前にゼノン(紀元前490年頃~紀元前430年頃)が提唱した非常に有名な思考実験。
俊足で知られるアキレスが、ノロマな亀を追いかけることになった。
このとき、アキレスは決して亀に追いつくことはできない。
理由はこうである。アキレスがA地点、亀がB地点から動き始めたとする。
アキレスが亀追いかけてB地点に行ったとき、亀はそれより前のC地点にいる。
アキレスがさらに亀を追いかけてC地点に行ったとき、亀はそれより前のD地点にいる。これは永遠に続くので、アキレスは決して亀に追いつくことはない。
もちろん、亀が疲れて休むことがあるならばアキレスは亀を追い抜くことができるだろう。
・・・なるほど、、、と納得しかけてしまうような見事な理屈です。
おそらく少なからず「あれ?おかしいな?なんでだ?」と感じたことと思います。
しかし、実際やってみればアキレスはいとも簡単に亀を追い抜きます。これは誰もが疑わない事実です。
ゼノンももちろんアキレスが亀を追い抜けないと本気で思ったわけではなく、「時間が無限に分割できる」と主張する一派に対して投げかけた思考実験といいます。
アキレスと亀のような間違っていることを本当と思わせる理屈には考えさせられます。私たちの思考はいとも簡単に当たり前の事さえ分からなくなり、そこに迷いや疑問が生じてしまうのです。
大切なことは深く思考し、理解し、判断するための能力を身に着けることも意識していきたいものです。