有名論理パズル『17頭のラクダと父の遺言』見事3人の息子たちを納得させられるか?

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有名論理パズル&クイズ問題

進学塾の広告にも使われたという昔から有名な論理パズル問題の1つ。
論理的な思考に加え、発想力も必要とする難題です。

17頭のラクダと父の遺言


ラクダを17頭所有するアラブ人の父が無くなり、息子たちは父の遺言通りにラクダを分配することにしました。

遺言には、長男に半分を、次男に3分の1を、三男に9分の1を与えるとありました。
長男「17頭の半分は8.5頭…1頭を半分にしなければいけないじゃないか」
3人の息子たちは遺言をしたがってラクダを分けることができないとひどく悩みました。

そこに、ラクダに乗った1人の数学者が通り、息子たちは彼に相談をしました。
すると、数学者は見事な解決法を息子たちに伝え、去っていきました。

息子たちは数学者の言うとおりにラクダを分配しました。
三男「ラクダを1匹も傷つけることなく、僕たち3人の誰も不満を持たなかった。あの数学者は見事だったよ」
3人の息子たちは皆が満足し、納得してラクダを分配できたのです。

さて、どのようにして分配したのでしょうか?

問題解決のヒント1

17頭のラクダを分けます。
長男は2分の1、次男は3分の1、三男は9分の1です。

17は素数(1とその数以外で割り切れない数)ですから、当然2分の1も3分の1も9分の1も割り切れずに整数になりません。

このままではラクダをバラバラにしてラクダ肉を分けるしかなくなります。
3人の息子たちはどのラクダも処分することなく分けたいのです。

 

問題解決のヒント2

問題文に出てくる数学者は、頭の良い人物であり、ラクダに乗って現れました。
これは大いにヒントになります。

 

問題解決のヒント3

結局、息子たちは、遺言通り「正しく分けた」とは言っていません。
3人ともが納得したと言っています。

実はこの問題は、「遺言通りに分けることはできない」から難しいのです。

 

パズルの解説1

この問題を解くカギとなるのは、17頭を3人に分配するのに、分数がいくつも出てくる点です。

17は1と17以外では割れない数ですから、2分の1にも、3分の1にも、4分の1にも5分の1にも9分の1にもできません。
そもそもこのまま、ラクダを生かしたままの分配は不可能とわかります。
しかし遺言通りに分けなくてはいけません。

では、試しにやってみましょう。ラクダではなくお菓子とします。

長男は17÷2=8と半分なので、8箱半を受け取ります。

次男は17÷3=5と3分の2なので、5箱と1箱の3分の2を受け取ります。
ここまでで、14個と6分の1を配布しています。

三男は17÷9=1と9分の8…

ここで「遺言通りに分けると、ちょっと余るぞ…?」と感じることができたなら、勘が冴えています。

遺言通りに分けると、余ってしまうことがわかったら、次の段階に進むことができます。

この問題のポイントは、無理やり17頭を分けようと考えていると全く解けないという点です。

1/2+1/3+1/9=17/18
ですから、分配できないのは当然です。

遺言を言葉にすると、「17頭のラクダのうちの、18分の17頭を、それぞれに分けるべし。そして、ちょっと余るぞ!」となります。
3人の息子たちはラクダを余らせることなど望んでいません。
もちろん父親もそうでしょう。
遺言を正確に守ると誰も得をしないということが見えてきます。

さて、先ほどの計算で、新たな数字18が出てきました。
では、もし、ラクダが18頭いたならどうでしょうか?

長男に9頭、次男に6頭、三男に2頭と分配し、ちょうど17頭を分けきることができます。

ここに気がついた数学者は自分の持っているラクダを加え、18頭としてから3人の息子たちにラクダを分け、残った1頭(自分のラクダ)を持って帰ったのです。
これは、「18頭のラクダを1頭残して17頭だけ分配する」と考えるとわかりやすいですね。

しかしこれだと、長男は当初の8頭と半分より増えているからずるいのでは?と考えるかもしれません。
ただ、次男と三男も6頭と2頭ですから、当初の予定よりは増えています。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
これは、遺言を100%守った分け方ではないからです。本来の遺言通りに分ければ、必ず余りが出るはずです。ラクダはちょっとだけ余るはずです。それをすっきり分けきっているのですから、そもそも遺言通りではありません。
問題文の三男は「3人の誰も不満を持たなかった」と言っており、正しく遺言を守ったとは言っていません。

18頭いると仮定すると17頭を分けきれるのは、遺言を言葉にしたときの「ちょっと余るぞ!」の部分がこの1頭だからです。
数学者は、遺言通りにすると余る分を、比率通りに3人に分けることでまるく収めたのです。

まだピンとこないかもしれません。もっと簡単な問題に置き換えてみます。

まったく同じ3つのパンがあります。母は3人の兄弟にこう言いました。
「これを4分の1ずつ分けて食べなさい。全部配り切るように」と言われたらどうしますか?
「いや、無理です」と思いますよね。
そこで、1人が「同じ比率で分けよう。1個ずつ食べれば余らないし、誰も不満はないよね?」と言ったとしたら、どうでしょうか。
母の言っていることを全部守ることはできませんが、そもそも無理なことを言われているのですから、皆が納得して、この分け方を受け入れますね。

パズルの答え

数学者が自分のラクダを1頭加え、18にしてから分配し、残った1頭(自分のラクダ)を連れて去って行った。

Posted by admin3


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