脳の司令塔ワーキングメモリとは
ワーキングメモリという言葉をご存知でしょうか。
ワーキングメモリは、作業記憶と訳され、文字通り一時的に記憶をしておいて作業するための作業台、メモ帳といった役割です。
例えば、5+9+12+4を行ってください。
まず5+9=14をワーキングメモリに記憶します。そして、14+12を行い、今度は26をワーキングメモリに記録します。最後に覚えておいた26+4を行い、答えの30を導き出します。
そして、30までたどり着いたとき、途中で使った14はすでに忘れているでしょう。26も少ししたら忘れます。このように、ワーキングメモリは一時的に、作業をするために脳内にメモしておく、短い記憶です。
例えば、人との会話にもワーキングメモリが欠かせません。直前に言った言葉、聞いた言葉を覚えておかないと、会話は成り立ちません。
電話をかける際も、電話番号を一時的に覚えておく必要がありますね。そして電話をかけ終わるとすっかり忘れてしまいます。
このように、ものすごく忘れやすいのが特徴で、ど忘れの正体は、実はワーキングメモリのメモの紛失です。例えば、何かをしようとしたときに話しかけられると「あ~、何をしようとしたんだっけ!」となりますし、冷蔵庫を開けたとたん、「あれ?何を取ろうとしたんだろう?」となります。
ワーキングメモリメモ「ソースを取る」・・・そのために冷蔵庫を開けて取らないとな
ワーキングメモリメモ「冷蔵庫を開ける」「ソースを取る」(2枚のメモを同時進行中)
ワーキングメモリメモ ☆冷蔵庫開けた!☆ ・・・と、あとなんだったっけ??
これは、記憶力の低下というよりワーキングメモリが弱くなっている状態で、ワーキングメモリを強化することで改善できます。人の持つワーキングメモリの数はおおよそ4つ(メモ帳は4枚)です。しかし、なかなか4枚をフル回転させるのは難しいです。
さて、上記の事から、ワーキングメモリとは記憶というより、注意を向けておくという性質が見えてきます。注意がそれるとすぐにメモがなくなってしまう。
実際、ワーキングメモリという言葉を作った人も、言葉が違ったかなと感じていたそうです。
ここで一つ、ワーキングメモリのテストをやってみましょう。
20秒で覚えてください。
タンポポ キャベツ はさみ 街灯 ライオン
さて、次のページに行きましょう。